お山の大将系クズは逆トゥルーマンショーである
『お山の大将系クズは逆トゥルーマンショーである』
皆さま、それぞれのご職業に応用して想像してみてください。
〈閉じられた世界に住むこと〉
〈自分が主役であること〉
〈外部の価値観との対峙〉
トゥルーマンは、両想いの女性から、彼が住んでいる世界はまやかしだと告げられ、当たり前に過ごしていた自分の生活のおかしなところに気づき、外の世界へ飛び立っていきました。
逆に、お山の大将系クズは、現実世界からやってきた恋人や新しい知人から、自分の住む虚りの物語を否定された時に、悪意を持った侵入者として徹底的に排除します。
自分が主役の物語の中でずっと心地よく暮らしていたい彼らにとって、「そんな世界は本当は存在しない」と言い切る新たな登場人物は脅威で、それと同時に、主役を立てないポンコツの脇役です。
ですから、キャスティングプロデューサーでもある彼らは、その登場人物を、突然、物語から追放するのです。
橋田壽賀子先生に逆らって、ドラマの中で唐突に死んだり遠くへ引っ越したりする登場人物と同じことです。
そして、彼らは、面と向かって、異邦人の侵入者に追放を言い渡すことはありません。
「もう友好な関係が無になるならば」と、侵入者から、彼らが目を逸らし続けている現実世界との齟齬について、ズバズバと指摘されることを非常に恐れているからです。
音信不通を決め込んだり、THE太鼓持ちやグルーピーの異性に侵入者の悪口を吹き込むなどして、話し合う機会など与えずに、物語から締め出します。
またここで、わたくしの些末な例をひとつ書きます。
当時交際していたお山の大将のお部屋に泊まった時のことです。
早朝5時に、彼の浮気相手が突然襲撃をしてきました。
鳴り止まない玄関のピンポンと、ドアノブをひねっては体当たりをするガチャガチャ、ドーーーーン!!!という激しい音は一生忘れられません。
彼が自分に都合のいいように誤魔化しながらわたくしに話したことから想像すると。
彼はその女性と、わたくしの存在を隠して一ヶ月ほどお付き合いをしていました。
彼女が自分に従属するようであれば、影で自分を支えることに徹さずに自ら作品づくりをする「非協力的な」わたくしと、差し替えるつもりだったようです。
けれど、彼の威嚇に怯まず怒鳴り返してくる彼女を、自分が支配出来ないタイプだと悟り、突然、音信不通決め込み、それに業を煮やした彼女が、絶対家にいる時間を狙って襲撃してきたようでした。
そんなに気の強い女性を無視したらどうなるか、ちょっと考えればわかりそうなものなのに……。
彼女の気持ちからしたら、とてもひどい仕打ちですが、彼の思考回路からしたら、侵入者であり設定に従わない端役との別れの場面など物語上不要なので、誠意のある対応など望むべくもないのでした。
〈新たな世界への旅立ち〉
プロデューサーは、作り手の歪んだ親心と支配欲から、彼に島に留まるように強く迫りますが、トゥルーマンはそれを拒否し、外の世界へ出て行くのです。
〈彼らはのさばり続けるのか〉
〈閉じられた世界に住むこと〉で、彼らには、便利な切り替えスイッチ機能が搭載されていることを記しましたが。
彼らの切り替えスイッチの性能は、所詮、支配力が及ばない相手に自分の物語のルールを強要しないというところまでで、そういう相手に、身内に理不尽に振る舞う自分の姿を見せた場合にどう思われるか、を想像する機能はありません。
あまつさえ、それがかっこ良いと思って、ある種パフォーマンス的に、自分を大きく見せたい相手の前でわざとそうして見せる場合すらあります。
そういう彼らの様子を見て、良識のある目上の人達や、彼らの支配力の及ばないタイプの人達は、上辺だけのお付き合いに留めようと心の中で決めるのです。
けれど、彼らは、そういう機微には気づけないので、一度仕事をした目上の先輩あるいは集団から、再度の仕事のオファーや遊びのお誘いがこないことや、スーパープロデューサーが自分に目をつけないことを、心底不思議に感じています。
わたくしが、彼らがのさばりつづけることに、イエス、と言ったのは、物語は、彼らが天に召されるまで規模を変えつつ継続する、という意味で、それが、彼らの望むような展開になり得るとは考えていません。
たとえ、一度は大きな成功を手にしたとしても、その後は身の丈以上のものは残らないでしょうし、逆に言えば、たとえどこかの社会集団で立場を追われたとしても、また別の場所のお山の大将になり、偽りの物語の世界を再構築することでしょう。
〈永遠の離れ小島〉
トゥルーマンは、自分の生まれ育った故郷が、全て自分が主演するリアリティショーを成立させるための舞台装置だったことに気がつきました。
海は波の出るプールで、街は巨大なセット、善き伴侶や親友や隣人は番組の意向に沿って演技をする役者でした。
あなたを傷つけたお山の大将は、そういう偽物のセットと、面倒なことにならないように演じている他人しかいない小さなコミュニティ、偽りの物語の中で、いつまでもいつまでも、実現することのないスーパープロデューサーによる豪華絢爛なセットへのセットチェンジを待ち続けている人なのです。
彼らの物語は、彼らの思い込んでいるサクセスストーリーではなく、無いものを有ると思い込んでいるおかしな男のホラーコメディなのです。
そんな滑稽な男は、傷ついたり憎んだりしてあなたの多くの時間を費やすほど魅力的でしょうか?
ビール片手に「トゥルーマンショー」を観て、すっきり腑に落としてしまいましょう!
脱皮する少女について想うこと
岡田斗司夫と大正大学全裸講師、ちょっとだけ新垣さん
「暴露」と「命令」。
『どちらが教祖だったのか』
岡田氏の彼女の場合は、どのように教祖である岡田氏に加担したのでしょう。
対して、大正大学の露出狂講師の場合は、どのように教祖である女学生に加担したのでしょう。
大正大学の公式発表の内容と、わたくしが今までに出会った似た性質の女性から想像して、この女学生は、周囲からは地味で控えめな女の子と思われているけれど、特定の性質の相手にだけは、支配力を発揮し高圧的な態度をとるタイプだと感じました。
ざっくりいえば、「俺がいないとあの娘はダメなんだ」と感じさせる儚さと、相手を意のままに操る狡猾さをあわせ持った不思議ちゃんです。
そういった子の要求は、ドシャ降りの夜中に「愛してるなら今すぐに来て! 」や、精神の不調でバイトが出来ないから生活費を負担して欲しいなど、同世代では手に余る場合が多いです。
対して、バブル世代のおじさんは、ホテルの高級なバーや豪華なプレゼント、アッシー君など「女のワガママに応えるのが男の甲斐性」的な美学や文化があり、金銭的余裕もあるので、割れ鍋に綴じ蓋なのでしょう。
自分の経験や想像力を使って生み出した台詞や物語を差し出してしまったこと、それが教祖の言葉として布教され、一定の評価を得てしまうこと。
それは、相手への怒りや憎しみだけでなく、自分自身への信頼や尊厳も著しく損ないます。
今、そういう形で教祖に尽くしている自覚があり、迷っている方は、全力で今すぐ逃げ出すことをお勧めします!
或いは、自分が共犯だったことは自覚しつつ、ダイナマイトを体に巻いて突っ込むなり、爆弾のスイッチをちらつかせて強かに交渉するのは選択肢の一つとして、あって良いことだと思います。
わたくしは、まだ未経験ですが、そういった選択肢を選ぶ日が来たときは、慎重に周到に策を練ろうと思います。
最後に情けをかけたとしても、教祖はそれに漬け込むだけなので。
暴発した女の子達が立ち直って、新しい素敵な人生とパートナーを見つけられますように☆
インテリおじさん達は図太く商売をするなり、可哀想ぶって職を得るなり、どうぞお好きにしてください。
美貴ヲ