ブスも美人も死ねば土

美人もブスもリア充もサブカルも、推してるあの娘が死んだって、等しく土になるんです

文庫女子と雑サラダ問題


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松の内が終わった途端、紀伊国屋書店が景気よく燃えています。

「文庫女子」で検索すると、寝タバコと同じくらい「それは……しょうがないですね……」という自業自得な火元がすぐに特定出来るかと思いますが、あらましをかいつまんで。

(おそらく)百パーセント善意むしろ熱い志しすら持った男性が、「女性の皆さん、全然ご存知ないと思うのですが、本って面白いんですよ!!!」と、野暮ったいピンク色(通称 ダサピンク)のポスターを旗印に呼びかけて、一瞬で火だるまになったという事件です。

そのポスターがこちら。
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少しだけ話を脱線させますが、ポスターに用いられたダサピンクと称される色、四股のお天気お姉さんがコーディネートに重用していたので、「女性はピンク好きでしょ」という蔑視ではなく、男性には「世界中の女の子(但し清楚で可愛くて若い)があのピンク着ればいいのに」という素敵な色に感じられる、摩訶不思議な色なのかもしれません。

話を戻します。

ツイッターでパシャリと撮って全世界へすぐに配信出来る折り、ポップに「東野圭吾村上春樹しか知らないのは、勿体ないと思うのです」と、ご陽気に書いてしまうのは、ガソリンを被ってスキップしながらキャンプファイヤーの輪に混ざりに行くのも同然です。

それで、「良かれと思って! まさか燃えるなんて!」と言われても。。

この件については、微力なわたくしが薪をくべなくとも、しばらくキャンプファイヤー@紀伊国屋書店はごうごうと燃え盛りつづけると思いますので。

わたくしは、この機会に、「女子(笑)ってこういうの好きなんでしょ」サービス問題がちょっとずつ改善することを願って、雑サラダ問題を提起したいと思います。

『雑サラダ問題とは』
ランチタイムのレディースセットについている、「女子(笑)って野菜摂りたいんでしょ」的な業務用ドレッシングがかかったほぼキャベツの千切りサラダ、あれ、要らなくないですか?というものです。

わたくしは要らないです。

不景気ですし、コスパなど、お店に色々事情があるのはお察しします。

ですが、レディースセットに権限のある男性がもしこれを読んでいたら、女は山羊ではないので、味気ない草をモサモサと食べることはあまり好まないということを、頭の片隅ででも憶えておいていただけたら幸いです。

例外として、厨房も従業員も本場の方ばかりのアジア料理店やカレー店で、ボリュームたっぷりの美味しいメインに雑サラダが付いてくるパターン。

これは、外国人オーナーに対し、自称「飲食店コンサルタント」(一流ホテルの下積みを3年以内に逃げ出したなど、実際なんの実績もない)のおっさんが、「日本のランチのレディースセットは、サラダつけなきゃ。あー、だいじょぶだいじょぶ、ちょぼっとでいいのよ、ついてさえいりゃ女は満足するから」などフカシたのが発端で、そこから彼らの密な同胞ネットワークを通じて広がったと想像しているので、罪には問いません。

どこの業界にも、自称コンサルタント、自称プロデューサーは湧いて出てきます、演劇や現代アート界隈にも……

そのお話はまたいずれ別の機会に。

そして、レディースセットではないのですが。

この間、某大手チェーン居酒屋へ行ったところ、雑サラダの上にとても細かく切られたアボカドが申し訳程度に散らされていました。

「女子(笑)って野菜摂りたいんでしょ」と「女子(笑)ってアボカドが好きなんでしょ」の合わせ技に、ある種の清々しさを感じました。

これは、とても大袈裟に言うと、ゲスの極みが転じてアートに昇華するパターンと近いのでは。

ともあれ、冒頭の文庫女子、「好きな女の子に自分について知的な好印象を抱かせるんじゃないかという下心と、本当に面白いから一緒にこの本の感想をあの娘と語り合えたら幸せだなっていう気持ちでぜひお勧めしたい本」など、本当に男性が女性に勧めたい本をご提案いただけたら、ぜひ手にとってみたいなと思っております。


美貴ヲ

■美術家/作家(演劇脚本など)■1/31緊縛人形劇「みぞかちゃんの脱皮」出演:有末剛・真珠子 脚本・構成を担当■書いたり描いたりするお仕事をください。

連絡先:purinlady@gmail.com
Twitter:mikiwo65

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